食べ物の意味や価値を、考えてみる。
私の周辺には、以前自営で飲食店をやっていた友人が何人かいて、
やっぱり、お店をやっているときは、
同じような悩みを持っていたんだな、と共感したり、
やっぱり、もう二度とやりたくない!と思っていたり。
現在、お店をやっている人にも、同じような悩みを打ち明けられることもあります。
今の経済システムの中では、本当に真っ正直に商売をやっている人が、
馬鹿を見るみたいなところがあって、そうやって自分の首を絞めて、
大好きで始めたはずのお店が、どんどん辛いものになってしまう悲しさ・・・
やっぱり、今までの考え方だと、生活がかかっているから、
儲けを出すために、不本意なことも受け入れなければならなくて、
本来やりたかった形と乖離してしまって、楽しくなくなったり、ストレスになったり。
一般的なサラリーマンにはなりたくなくて、独立したはずなのに、
もっとがんじがらめになってしまうのはなぜなんだろう?
どうして、こんなことになっちゃうのかな・・・?
私は田舎に移住して、どんどん自由に暮らすようになって、
たくさん変化したことがあるんですけど
ひとつに、ご飯を前より食べなくなったことがあります。
会社や学校では、時間が決められているし、
家では、何となく家族そろって、というルールがあって
お腹が空いていなくても、みんなと同じ行動をとらなければいけなかったし
食事は3食って、いつから決まったんでしょう?
現代の人達は、本当の空腹を知らないのではないかと思います。
私は、お腹が空いたときに、食べたいものを食べる、ということになっていった結果
多分、全体の量は、今までの1~2食分になったと思います。
みんなは、「食べていけなくなったら困る!」と言って
一生懸命、嫌な仕事も頑張って続けていたり、
決められたお給料の中で、3食きちんと食べるために、少しでも安いものを探したり
挙句に、安く食べられる店に何時間も並んだりしてるけど、
そもそも、そんなに食べなくてもいいんじゃない?
だとしたら、一食にもう少しお金をかけて、質の良いものを食べても良いのではないかと。
衣食住に関わるもの全てに、たくさんの人が関わっていると思うのですが、
食べ物って、直接身体に取り込んで、しかも血となり肉となって、
自分の身体を創っていくものでしょ?
だったら、外側を飾るのもいいけど、自分の内側をどんな成分で作るのかって
もっと大事にした方がいいんじゃないのかな。
そして食に使われている材料って、膨大でしょ?
例えば、今晩カレーライスを食べたとして。
お米や野菜を長期間作業をして作ってくれた農家さん。
早朝から海へ出て漁師さんが獲ってくれた魚介類。
出産から大事に育ててくれた畜産業の人。
もっと言ったら、スパイスとか海外の人も関わってるし。
そして、それを配送業者さんが輸送してくれて
市場やスーパーでパッキングして、売ってくれて
お母さんや、飲食店の人が買い出しに行ってくれて
心を込めて作ってくれる。
ちょっと考えただけでも、これだけの人が関わって
その人たちのエネルギーが込められているってことです。
私の住んでいるところは、まわりが農家さんなんですけど
道の駅なんかで、売っているお米には、生産者さんの名前が入っています。
私は、どこの誰か知っていたりするので、○○さんのお米にしよう!と選んだりします。
あの人が作ったものなら、間違いない!と思うし、本当に美味しいから。
みなさんは、どういう基準で自分が食べるもの、選んでますか?
毎日、TVでも、雑誌でも、SNSでも、
メディアでは、溢れんばかりに食べ物の情報が流れていますよね。
どこのお店の○○が美味しい、どこどこの○○が絶品だ、食べなきゃ損だってね。
そうやって、毎日垂れ流しの情報に洗脳されて、情報に踊らされて、お金を使わされて・・・
自分の身体が本当に欲しているものを食べていますか?
空腹じゃないのに、食べていませんか?
お店をやっているとき、ずいぶんメディアにも取り上げられましたし、
物産展などにも、声をかけていただきましたけど
どれも、一時的に爆発的に忙しくて、長続きしないんです。
そういうのに飛びつく人達は、次から次へと新しいものへと行ってしまって
定着しないので、固定客にはなりません。
でも、一般の人達は、そういうときの混雑を見て、勝手にあそこの店は儲かっている
と勝手にイメージするんです。
そうやって、個人営業のお店は、振り回されて、みんな苦しい思いをしています。
(一部で儲かっているお店もあると思いますが、きっとそれなりの悩みがあるのでしょう)
私一人が、一生懸命訴えても、世の中は変わらないでしょう。
でも、ひとりでも、ふたりでも、共感してくれる人がいるなら
これからは、どんな人が、どんな思いで、それを作っているのか?ということに
少しでも目を向けてもらえたらな、と思います。
どんなもので、自分の身体を創るのか、それが自分を大事にすることでもあるからです。
そして、素敵な人がやっている、大好きなお店があったら、正当な対価を払って
是非、通って応援してあげて下さい。
今、一生懸命、美味しいものを作って、みんなに喜んでもらいたい!と
正直に頑張っている飲食店の人達に
私が経験したような、苦しい思いはして欲しくないと思います。
大好きなことを、ずっと大好きで続けていけるような、社会になって欲しい!